犬の「タンパク漏出性腸症」って、どんな病気?

下痢・血便・軟便

「タンパク漏出性腸症」は、
他にも「炎症性腸疾患」とか
「慢性腸炎」といったいろいろな
呼び方があります。

最終的には「原因不明」の
病気とされていますが・・・?

「タンパク漏出性腸症」とは

「タンパク漏出性腸症」って
聞いてことありますか?

読んで字のごとく、
タンパクが漏れ出てしまうタイプの
腸の症状
ってことで、つまり、

栄養が漏れてしまうほど
長く続く「下痢」のこと。

通常の下痢の治療をしても
治らなくて、血液検査をすると、
他の内臓に異常はないんだけど、
そのうち、

低タンパク血症(低アルブミン血症)
になっていきます。

今は、原因が特定しにくく
治りにくい、長く続く下痢のことを、
「炎症性腸疾患」と呼ぶことが多いです。

「タンパク漏出性腸症」という病名は
使われなくなってきているけど、
言うなれば、「炎症性腸疾患」のうち、
低アルブミン血症がある場合に、

「タンパク漏出性腸症」と
言われることもあるかもしれません。

つまり、炎症性腸疾患(IBD)も
タンパク漏出性腸症も、同じ病気
です。

原因不明のタンパク漏出性腸症、どうやって治す?

タンパク漏出性腸症、炎症性腸疾患は、
原因不明だから、いろいろな治療を
試すんだけど、

まず、フードを変えてみる。
それでよくなれば、「食事反応性腸炎」

抗菌薬を飲んでみる。それで
よくなれば、「抗菌薬反応性腸炎」
となります。

それでもダメな場合は、
プレドニゾロン(ステロイド剤)
処方されます。免疫抑制剤が
使われることもあります。

タンパク漏出性腸症の食事療法

食事に関していえば、
低脂肪食が使われて、場合によっては
手作り食を提案されることもあります。

その場合の手作り食は、
「超低脂肪食」で、
ささみやむね肉と、ごはんを使った
手作り食になります。

だけど、私は、それとは少し
違った対応をしています。

炎症性腸疾患の原因は、
ドッグフード
だと思っているから。

だから、
どんな栄養バランスでもいいから、
とにかくドッグフードをやめて、
手作り食にするだけで、
改善することも多いです。

脂質の量は関係ありません。

脂質が関係あるとすれば、
それは脂質の「質」の問題であって、
「量」の問題ではありません。

タンパク漏出性腸症や、
炎症性腸疾患の犬は、ぜひ
手作り食に挑戦してみてください。

そしてその場合には、
犬の体のしくみに本当に合った
栄養バランスの手作り食
にすることで、

栄養バランスの悪い手作り食のせいで
脳や皮膚や腎臓に、悪い影響を与えて、
手作り食のせいで、別の病気に
なってしまうことを、防ぐことが
できます。

そして、タンパク漏出性腸症の
持病がある子は、腸がとても弱っています。

手作り食に切り替えるときは、
ぜひ、専門家のもとで、慎重に
やってみてくださいね。

まとめ

「タンパク漏出性腸症」は、
やっかいな病気です。

最近では、
「炎症性腸疾患(IBD)」と総称されますが、
血液検査で低タンパク血症(低アルブミン血症)
があれば、「タンパク漏出性腸症」と
言われることもあるかもしれません。

原因は不明とされているけど、
私は、ドッグフードが原因ではないかと
疑っています。

この場合の「ドッグフード」は、
療法食も含めて、加工された乾燥フード
すべて
を指しています。

その程度にもよるけど、
質のいい療法食でうまくいく場合もあるし、
とにかく手作り食にするだけで、
よくなることもあります。

だから、「タンパク漏出性腸症」や
「炎症性腸疾患」と言われた
わんちゃんの飼い主さんは、
ぜひ手作り食に挑戦してみてほしい。

だけど、その時は、
できれば専門家のもとで、
犬の体のしくみ、その犬の体質に
合った手作り食
に、慎重に切り替えて
いきましょう。

でないと、
栄養バランスの崩れのせいで、
こんどは脳や皮膚や腎臓に
悪い影響を与えて、

また別の病気になる
リスクが高まってしまいます。

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