脂質を減らしていたのに胆泥症に?その意外な原因とは

手作り食

脂質をかなり控えた手作り食を続けていたのに、なぜ胆泥がたまってしまったのか――。実はそこには、胆汁と脂質の大切な仕組みが関係しています。獣医師の視点からわかりやすくお伝えします。

脂質を控えていたのに、なぜ胆泥が?

先日、ご縁をいただき、相談を受けた保護者さん、
たくさん、今までの経緯をお話ししてくださいました。

そして、限られた時間の中で、
「今日、一番聞いてみたいことはなんですか?」
と私からお尋ねしました。

すると、しっかりと、「一番聞きたいこと」を答えてくださいました。

こんなふうに、ご自身の疑問や悩みを
整理しておられる方だからこそ、解決の道も、見えてきやすい。

さて、その問いとは・・・

「エコー検査で胆泥が確認され、
『脂質の量(が多すぎないように)気をつけてください。』と言われました。
かなり脂肪分を避けた手作り食にしていたのに、
なぜ、胆泥がたまってしまったのでしょうか?」

脂質を減らしすぎると胆汁はどうなるのか?

実際にはまず、なぜ脂質が悪者にされるのか、という背景から、
お話しさせていただいたのですが、
ここでは、その後の核心部分
「胆泥症の原因は、むしろ低脂肪食だと言える可能性」について、
お話ししてみたいと思います。

まず、前提として、胆汁は、
肝臓で作られ、胆のうに蓄えられる消化液、
正確には、脂質を分解するための界面活性剤のような働きを持つものです。

食事の中に含まれる脂質を、そのままでは消化できない大きな塊から、
細かくすることで、脂質の消化・吸収をスムーズにする。

これが、胆汁の大きな役割です。

そして、胆汁は、脂質が十二指腸に入ることで、
はじめて「出てきていいですよ」というサインが出ます。

つまり、

脂質 = 胆汁分泌のスイッチ

となっています。

もしここで、
脂質を極限まで控えた食事を与えていた場合、
どうなるでしょうか?

胆汁を出すきっかけ(スイッチ作動)が
少ない状態が続くことになります。

すると、本来は食事のたびに適度に排出されるはずの胆汁が、
排出されずに、胆のうの中に溜まり続けることになります。

なぜ、低脂肪食で胆泥がたまってしまうのか?

この「排出されない状態」が続くことで、
胆汁は徐々に濃縮され、ドロドロとした状態、
いわゆる「胆泥」へと変化していきます。

つまり、胆泥症の原因は、食事中の脂質の量が多すぎることではなく、
脂質の量が少なすぎて、脂質による胆汁排出の刺激=スイッチが入らず、
胆汁が適切に排出されないことである場合もあるのです。

胆泥症も膵炎も、その他、
「脂質が多すぎる」ことが原因とされている病気が多いですが、
実際には、多すぎることだけでなく、脂質の質や、
場合によっては脂質の量が少なすぎることも、原因
になり得ます。

何事も「バランス」が大切。
このことは、どんなことにも言える、大切な原則です。

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「じゃあ、バランスを整えるにはどうすればいいんだろう?」
「うちの子、これからどんな食事にしたらいいのかな」

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